第59回Road to Rio de Janeiro2016

女子ラグビーエキシビションマッチ by泉佐野のアニキ

 あけましておめでとうございます。今年もMISAKI RUGBY.COM COLUMN「オレにも言わせろ」をよろしくお願いします。学生ラグビーは、いよいよ日本一が決定します。岬ラグビースポーツ少年団・小学部の練習初めの9日に、国立競技場で全国大学ラグビー決勝戦が行われます。今シーズンは、2季ぶりに「荒ぶる」を歌えるか?早稲田大学と選手権「連覇」を目指す帝京大学が激突します。2日に行われた準決勝では、戦前の予想を覆す快勝で両校が決勝戦に駒を進めて来ました。
 そして、あす8日、近鉄花園ラグビー場で全国高校ラグビー決勝戦が行われます。史上8校目のV2を狙う東福岡(福岡第1代表)と初優勝を狙う桐蔭学園(神奈川第2代表)が前回大会に引き続き対戦します。ちなみに、2大会連続の決勝同一カードは90回の歴史上5度目。CTB・布巻、FB・藤田(ともに東福岡)、WTB・竹中、FB・松島(ともに桐蔭学園)がどんなプレーを見せてくれるか非常に楽しみな一戦になりました。戦前、ボクは大阪朝鮮を本命に挙げていたのですが、CTB・権選手のリタイアが響いたのか準決勝で姿を消しました。昨年12月27日に開幕した「花園」、開会式直後には、昨年に続いて女子高校生による7人制ラグビーエキシビションマッチが行われたので今回は、その模様を写真リポートします。

開会式終盤に花園に到着。明るく元気な行進に贈られる「フィールドドリーム賞」を和歌山工が受賞しました。右端の写真は退場シーン



東西20人の選手が発表された。その中には、7人制日本代表選手や岬ラグビーのミサキ&ミカが所属する、SCIXラグビークラブのチームメイトも名を連ねました

東軍 監督:吉岡麻里子(セブンズアカデミーコーチ)コーチ:熊野麻子

氏名 ポジション 学校・学年 所属
中田 妃星 PR 青森・八戸西高3年 八戸西高
横尾 千里 PR 東京・國學院久我山高3年 世田谷レディース
鈴木 実沙紀 PR/CTB 千葉・市立船橋高3年 市立船橋高
鈴木 陽子 SH 神奈川・横浜市立東高2年 YRA-WRSC
大黒田 裕芽 SO 千葉・市立船橋高1年 市立船橋高
服部 早也香 HO 千葉・東海大付浦安高2年 世田谷レディース
門脇 桃子 CTB 東京・大東文化一高1年 大東文化一高
石川 裕美 PRPR/CTB 東京・日体荏原高1年 YRA-WRSC
片岡 瑞帆 HO 東京・芝商業高1年 世田谷レディース
10 川嵜 理英子 WTB 神奈川・自修館中等教育1年 向上高

西軍 監督:辻本つかさ(現日本代表候補選手)コーチ:加藤直子

氏名 ポジション 学校・学年 所属
齊藤 聖奈 PR 大阪・四天王寺羽曳丘高3年 阿倍野HOLL'S
後藤 亜里沙 PR 福岡・福工大付城東高2年 福岡レディース
三樹 加奈 PR/CTB 宮崎・高鍋農業高3年 高鍋農業高
原 仁以奈 SH 千葉・市立船橋高3年 市立船橋高
黒田 歩 SO 愛知・西陵高3年 名古屋レディース
武中 沙葵 CTB 兵庫・姫路高2年 名古屋レディース
濱辺 梨帆 WTB 福岡・須恵高2年 福岡レディース
五十嵐 裕佳 PR 愛知・瑞穂高1年 名古屋レディース
小崎 麻衣 HO 大阪・関西大倉高1年 阿倍野HOLL'S
10 阿部 葉月 WTB 大分・臼杵高1年 福岡レディース

★4選手に注目★

 開会式直後のグラウンドに現われた女子高生ラガー14人。ボクは、ミサキとママと3人でライバルチェック≠行いました。東軍の女子7人制日本代表・鈴木実沙紀(市立船橋高・3年)選手、西軍からは3人、鈴木と同じく日本代表の三樹加奈(高鍋農業高・3年)選手、ミサキがSCIXラグビークラブでともに汗を流すチームメイト、齊藤聖奈(阿倍野HOLL'S所属、四天王寺羽曳丘高・3年)選手、武中沙葵(名古屋レディース所属、姫路高・2年)選手の合計4選手に注目しました。ちなみに、齋藤、武中両選手は2年連続の出場です。

★女子高生国内トップレベル★

 関西ユースの紅白戦しか見たことが無いのですが、女子高生トップクラスのスピードとパワーは、まぁこんなもんか〜がボクの第一印象でした。しかし、イージーなノックオンなど、しょうもないミスが全く無い。締まった内容の試合でした。まぁ急造チームゆえ、何をしたいのか全く解らないプレーは所々で見られましたが…そんな中で際立っていたのが鈴木選手のディフェンス。最年少でジャパン入りした彼女は、他のメンバーより経験値も高く大舞台でも相手にひるむことなく、しっかりタックルを決めていました。以前、第38回コラムでラグビー冊子「RUGBY CAFE」を紹介させていただきましたが覚えていますか?
 その「RUGBY CAFE」第7号では鈴木選手が特集されていました(続報を届けてくれた泉佐野のパパさんに感謝)。鈴木選手は、中学校入学と同時に本格的にラグビーを始め、中1の夏に関東ユース合格し高2でコルツ昇格、高3で日本代表候補入り、2010年5月の香港戦で初キャップを獲得。と順調にジャパンの中心選手へとレベルアップしている。高2時代には、ニュージーランドに3カ月間留学し「外国人の大きさには、まったく怖さを感じなくなりました」とコメントしている。2016年は、間違いなく彼女が日本女子ラグビー界の中心選手になっていると思います。

黒いジャージが東軍、白いジャージが西軍。

試合は西軍が先制トライを決めました

7人制日本代表対決!鈴木(左)をマークする三樹

ボールを持っているのが齊藤、フォローしているのは武中

ハーフタイム。西軍は、現日本代表候補の辻本つかさ監督から指示が飛びます

さすがジャパン!鈴木のタックルが炸裂しました

両チームとも2トライをあげましたが、コンバージョンの差で東軍が勝利しました

右下で倒れているのが武中。右肩を強打したもののド根性で試合に出続けました

試合後ミサキと武中選手の2ショット。武中選手の包帯姿が痛々しい…お疲れさま


★今後の行方★

 前回に続いて、エキシビションマッチのメンバーはセレクター推薦の東西20人が選ばれている。7人制日本代表コーチも努める、岩渕健輔ハイパフォーマンス・マネージャーが「ラグマガ1月号」で明かしていたが、来年からはセレクションシステムを整備すると言っています。神戸甲北高ラグビー部の女子部員が選出されていない事を考えれば、まだまだ表舞台に立っていない強者が全国には、たくさんいるはずです。第3回女子ラグビーエキシビションマッチは、もっともっとレベルの高いゲームになると思っています。