第78回 番狂わせ by泉佐野のアニキ

 いよいよ今週末の22日(日曜日)は、岬ラグビーのお祭り!朝から多奈川グラウンドで「岬ラグビースポーツ少年団創立30周年記念大会」、夕刻からは淡輪・海風館で「30周年記念パーティー」が行われます。在団生、コーチ、父母会一致団結して、この大イベントを成功させましょう!

女子日本代表の被災地へのメッセージをリードしているのは、先月行われた香港遠征でキャプテンを務めたナンバーエイト・辻本つかささんです。日曜日の岬ラグビー30周年記念大会に参加してくれるSCIX女子ラグビー部に所属しています。

宿沢ジャパンが大金星をあげたスコットランド戦。ボールを持って突進するのはロック・林、左でサポートに走っているのはロック・大八木、その後方はプロップ・田倉。これラインアウトからトライをとったシーンだと思います。(日本ラグビー激闘史10号の表紙写真)
プロ野球は7年目の交流戦に突入しました。今シーズン未だに3連勝がない阪神タイガース。鳥谷、平野のけが、チグハグな攻撃、アニキの拙守に虎党のみなさんもイライラしていることでしょう。
ボクもテレビの前で「真弓の●●」とか「何で球児ちゃうねん」とか「コバヒロ不安やわぁ〜」とか叫んでます。がんばれ阪神タイガース!ボクのボーナスを増やしてくれ〜〜〜目ん玉編集局に先日、キー太が乱入!?してきたので一緒に記念撮影しました。

 さて今回は、ボクの好きな言葉を2つ紹介します。この言葉が好きって言うと、性格が悪そうで、ボクのイメージダウンは避けられないと思いますがラグビーにおいては一番快感を得ることの出来るシチュエーションではないでしょうか?(まぁラグビーだけに限らず、ボールゲーム全てに当てはまると思いますが…)

 その言葉とは…


 裏をかく【ウラヲカク】

 ●相手が予想したのとは反対のことをして相手を出し抜く。「バントと見せかけて―・き強打に転ずる」
 ●矢・槍(やり)・刀などが鎧(よろい)などの裏まで突き通る。うらかく。


 一泡吹かせる【ヒトアワフカセル】

 ●相手の不意をついたり、予想外のことをやってのけたりして、驚かせうろたえさせる。「新製品を開発して大手企業に―せる」



 仕事をしていても「してやったり」とか「痛快!」とか「大波乱」って見出しを付けるのが大好きなんですよね〜

■裏をかいた新潟大■

 5月8日(日曜日)秩父宮ラグビー場で行われた「第12回 東日本大学セブンズ選手権大会」で『してやったり』の試合がありました。

 「新潟大学、早稲田撃破!!」コンソレーション(敗者トーナメント)で国立の新潟大学が、あの早稲田大学を24-14で破る大金星。新潟大キャプテン・増田宇宏は「向こうも同じ大学生。思い切りやって、秩父宮に何か一つでも残して帰ろう」とセブンズのセオリーを無視したハイパント攻撃で相手の『裏をかき』、低く突き刺さるタックルで歴史的快挙を成し遂げました。

 試合後、増田キャプテンは「すごいことをしてしまった。ビックリしています」とコメント。早稲田キャプテン・山下昂大は「どんな相手にもひたむきさを持たなければ、勝てる試合はない」とガックリ…。その後、増田キャプテンは男子セブンズ日本代表セレクション合宿(12〜15日)にも招集されました。この合宿には、岬ラグビーOBでトップリーグ・NTTドコモレッドハリケーンズのルーキー・茂野洸気選手も参加しました。

 チャンピオンシップは、15人制の練習の後にセブンズ用の特別練習が実を結んだ東海大学が26-24で筑波大学を振り切り見事3連覇を達成!

 決勝で涙を飲んだ筑波ですが、今季は楽しみな1年生が大量に入部しこの大会でも活躍していました。セブンズ日本代表候補でもある、桐蔭学園・竹中祥(高校日本代表)、石見智翠館・山本浩輝(高校日本代表)、長崎北・山下一(高校日本代表)が、夏を乗り越えどこまで進化するのか非常に楽しみ、何かやってくれそうな臭いがプンプンしています。

■慶應に一泡ふかせた■

 関西では15日(日曜日)に近鉄花園ラグビー場で「第5回関西ラグビーまつり」が行われました。東西大学対抗戦で関西学院大学が31-22で慶應義塾大学を倒しました。慶應は東日本大震災もあり新チームのスタートが遅れたとはいえ、ビッグネームに『一泡吹かせた』関学の勝利は個人的にうれしいニュースでした。

■してやったり宿沢広朗監督■

 22年前、1989年5月28日秩父宮ラグビー場で行われたテストマッチ。日本代表は強豪スコットランド相手に『してやったり』の大金星。スコアは28-24。日本ラグビーの歴史が動いた試合でした。それまで日本はIRB(インターナショナルラグビーボード)加盟国に勝ったことがなく28試合目にしてやっと勝利を手に入れました。宿沢広朗監督は、選手にもマスコミにも「勝つ」と公言、緻密な戦術・戦略の下、選手を選びました。試合前日、スコットランドの非公開練習に、「見るなと言われると、余計に見たくなるのが人情」と宿沢監督は伊藤忠商事ビルの12階から双眼鏡で偵察。会心の勝利を手に入れました。

波乱起こした青森北■

 あと思い出す『痛快』な試合は、第77回全国高校ラグビー大会2回戦で青森北が17-14で大阪工大高を下した試合。青森北は1回戦の坂出工戦を122-0の大勝で2回戦に駒を進めた。雨中の決戦となった1997年12月30日。青森北はハイパントで工大高を苦しめました。あの時の工大高は、コンディションが悪いにもかかわらず、展開を仕掛けハンドリングエラーで自滅したような記憶が残っています。間違えてたら、誰か教えて下さい。結構あの試合は、強者が弱者に足下をすくわれる典型的なパターン。工大高は、かなり油断があったように思います。

 ラグビーでは起きにくい『番狂わせ』を4試合書きましたが、『番狂わせ』の裏では、それを起こすだけの準備と戦略があります。ラグビーは、試合中どれだけ「強み」を出せる時間を増やして「弱み」が出る時間を減らすかで、格上のチームとも互角以上の勝負ができると個人的には思っています。そのキーワードの一つが相手の『裏をかく』です。機械のように忠実に命令を守り淡々と任務を遂行していくより、常に周りの一手先を読む、時には罠を仕掛けて自分に有利な状況に持っていく、そして最後は勝つ!こういうの凄く人間臭くってボクは大好きです。あ〜ぁ、どんだけボクは腹黒い奴なんだぁ〜(笑)あくまでラグビーの話ですが…

 今年度から4&5年チームの担当になりました。このチームはみんな真面目で素直、ラグビーの試合も素直、ボールの動かし方も素直、試合を見ていて杓子定規な感じ、相手からしてみれば防御は超カンタンです。もっと、いろんな発想を持って試合すればイイのにと感じています。秋のシーズンインまでに4&5年生のみんなを、ラグビーに対して知恵を絞れ、型破りなプレーで相手の裏をかけるラガーにしてあげたいと思っています。